神社の参拝方法と鳥居のくぐり方！足の左右や作法を分かりやすく解説

こんにちは。社結び、運営者の友護です。

久しぶりに神社へ行こうと思ったとき、「あれ？鳥居のくぐり方ってどうするんだっけ？」「手水って左手からだっけ？」と不安になること、ありますよね。私自身も神社の魅力にハマりたての頃は、周りの人の動きをチラチラ見ながら真似をしていたものです。

でも、安心してください。神社の参拝方法や、鳥居をくぐる際の足の運び方に関する正しいマナーを知っておけば、神様に対して失礼にならず、何より自分自身が清々しい気持ちでお参りできます。作法の一つひとつには、実はちゃんとした理由があるんです。

このページでは、初心者の方でも自信を持って参拝できるよう、基本の作法から、「なぜそうするのか？」という深い理由、そして意外と知らないタブーまで、丁寧に解説していきますね。

神社の参拝方法と鳥居のくぐり方の基本とは？

社結び・イメージ

「神社 参拝方法 鳥居のくぐり方」と検索されたあなたは、きっと「神様に失礼のないようにしたい」という誠実な心をお持ちなのだと思います。そのお気持ちだけで、すでに神様への敬意は伝わっているはずですよ。

神社は、私たちが普段暮らしている俗世（ぞくせ）とは異なる神域（しんいき）です。その境界線にあるのが鳥居であり、そこをくぐる瞬間から、神様のお庭にお邪魔することになります。

鳥居をくぐる際の一礼や、参道の真ん中（正中）を避けた足の運び方といった所作は、単なる堅苦しいルールではありません。これらは、神様への敬意を表すと同時に、外の世界でついた穢れ（けがれ）を祓い、心を鎮めて神前へ向かうための大切な儀式のようなものです。

前半では、鳥居のくぐり方から手水舎での清め方、そして拝殿での「二礼二拍手一礼」に至るまで、参拝の基本フローを徹底解説します。動作の意味を知れば、きっとお参りがもっと楽しくなりますよ。

鳥居をくぐる前の一礼と帽子のマナー

神社に到着して最初に私たちを迎えてくれるのが鳥居です。朱色のものや石造りのものなど様々ですが、これは神様の家の玄関にあたる場所であり、ここから先は神聖な場所であることを示す「結界」の役割を果たしています。

ですから、鳥居をくぐる前には必ず立ち止まり、「一礼（一揖・いちゆう）」をするのが基本のマナーです。

この一礼には、「お邪魔します」「参拝させていただきます」という挨拶の意味が込められています。親しい友人の家でも、黙って上がり込むことはしませんよね？それと同じで、神様に対しても「入らせていただきます」という敬意を払うことが大切です。

また、鳥居をくぐる前には、身だしなみも整えましょう。

• 帽子やサングラス：直前で外して手に持ちます。
• コートやマフラー：寒い時期は無理をしなくても良いですが、可能であれば整えておくとより丁寧です。

[/st-mybox]

礼の深さについてですが、軽く頭を下げる会釈（約15度）から、敬意を込めた敬礼（約45度）の間で行えば大丈夫です。あまり角度にこだわりすぎず、「これから神域に入らせていただく」という心のスイッチを入れるつもりで行ってみてください。

鳥居のくぐり方で足は左右どっち？

社結び・イメージ

参拝において一番迷う質問ナンバーワンがこれかもしれません。「鳥居をくぐるとき、左足から踏み出すの？それとも右足？」という疑問です。

結論から言うと、基本のルールは「正中（参道の真ん中）から遠い方の足から踏み出す」ことです。

少し分かりにくいかもしれないので、具体的に整理しますね。

なぜこうするのかというと、最大の理由は「神様にお尻（背中）を向けないため」だと言われています。

参道の真ん中は神様の通り道（正中）です。もし左端にいるのに、内側にある右足から大きく踏み出すと、体の構造上、一瞬だけ正中にお尻を向ける姿勢になってしまいます。これを避けるための、昔の人の奥ゆかしい配慮なんですね。

また、武士が刀を左腰に差していた時代、左足から踏み出すことで「敵意がない（すぐに抜刀しない）」ことを示したという説もありますが、現代では「正中への配慮」と覚えておけば間違いありません。

参道の真ん中を避ける歩き方の意味

鳥居をくぐった後に続く参道にも、歩き方のマナーがあります。それは、「真ん中（正中）を避けて、端を歩く」ということです。

先ほどもお話ししたように、参道の真ん中は「正中（せいちゅう）」と呼ばれ、神様が通る道として神聖視されています。私たち参拝者は、神様の通る道を塞がないよう、謙虚に左右の端を歩くのが礼儀です。

神社によっては、立て札で「右側通行」や「左側通行」と指定されていることがあります。伊勢神宮でも外宮は左側通行、内宮は右側通行と決まっていたりしますので、その場合は現地の指示に従いましょう。

「じゃあ、反対側に行きたいときはどうすればいいの？」と思いますよね。

どうしても正中を横切らなければならない時は、以下の作法を行うととても丁寧です。

1. 正中をまたぐ直前で、軽く頭を下げる（会釈）。
2. 「前を失礼します」という気持ちで、速やかに通過する。

もっと丁寧にするなら、中央で一度神殿の方を向き、一礼してから横切るという方法もあります。これを自然にやっている人を見ると、「お、この人は分かってるな！」とかっこよく見えますよ。

手水舎での正しい手水の作法と手順

社結び・イメージ

拝殿に向かう前に、必ず立ち寄りたいのが「手水舎（てみずや・ちょうずや）」です。冷たい水に触れると、身が引き締まりますよね。

これは、昔の人が神社にお参りする前に、川や海で全身を洗って清めていた「禊（みそぎ）」を簡略化した儀式です。心身の穢れを落とす大切なプロセスですので、省略せずにしっかり行いましょう。

まずは、伝統的な「柄杓（ひしゃく）」を使う場合の作法です。一番のポイントは、「最初に汲んだ一杯の水ですべての動作を完了させる」ことです。途中で水を汲み足すのはスマートではありません。

1. 左手を洗う：右手で柄杓を持ち、水をたっぷりと汲みます。その水を左手にかけて清めます。
2. 右手を洗う：柄杓を左手に持ち替え、残った水の一部を右手にかけて清めます。
3. 口をすすぐ：再び柄杓を右手に持ちます。左手のひらに水を受けて、その水で口を軽くすすぎます。（※柄杓に直接口をつけるのは厳禁です！）
4. 左手を流す：口をつけた左手を、残りの水で軽く洗い流します。
5. 柄杓を清める：最後に柄杓を縦に立てて、残った水を柄（持ち手）に伝わらせて洗い流し、元の場所に伏せて戻します。

最近では、感染症対策や管理のしやすさから柄杓を撤去し、竹筒や蛇口から水が流れている「流水式」の神社も増えています（花手水などで綺麗に飾られていることもありますね）。

この場合も、清める意味合いと順序は変わりません。「両手を洗う → 手に水を受けて口をすすぐ → 再度手を洗う」という流れで行いましょう。濡れた手は、持参した清潔なハンカチで拭いてくださいね。服で拭くのはマナー違反ですよ。

拝殿での二礼二拍手一礼のやり方は？

いよいよ神様のいらっしゃる拝殿の前に立ちます。お賽銭を入れた後に行う拝礼の基本は、皆さんもよく耳にする「二礼二拍手一礼（にれいにはくしゅいちれい）」です。

ですが、ただ回数をこなせば良いというわけではありません。一つひとつの動作を丁寧に行うことで、祈りの深さが変わってきます。

1. 姿勢を正す：拝殿の正面に立ち、まずは背筋を伸ばして神前と向き合います。
2. 二礼（二拝）：腰を90度に折るようなイメージで、深くお辞儀を2回します。浅い会釈ではなく、最敬礼であることを意識しましょう。
3. 二拍手：両手を胸の高さで合わせます。ここで重要なポイントがあります。「右手の指先を、左手よりも少し（第一関節くらい）下にずらす」ことです。 （出典：神社本庁『参拝方法』）
4. 拍手（柏手）：肩幅くらいまで両手を開き、パンパン！と2回打ちます。ずらした手のおかげで、いい音が響くはずです。
5. 祈る：拍手の後、ずらした右手を元に戻し、指先をぴったりと合わせて（合掌）、心を込めて祈ります。
6. 一礼（一拝）：祈りが終わったら手を下ろし、最後に感謝の気持ちを込めてもう一度深く（90度）お辞儀をします。

お賽銭の金額や鈴を鳴らす順番は？

社結び・イメージ

「お賽銭っていくらがいいの？」「鈴はいつ鳴らすの？」というのも、よくある疑問ですね。

一般的な参拝の順序としては、「お賽銭 → 鈴 → 拝礼（二礼二拍手一礼）」という流れが多いです。

まずお賽銭ですが、これは神様への「感謝のしるし」であり、本来はお米などの供物の代わりです。遠くから投げ入れるのは「神様にお金を投げつける」ことになり大変失礼ですので、賽銭箱の直前まで進み、腰の高さからそっと滑らせるように入れましょう。

その次に、頭上に鈴（本坪鈴）がある場合は鳴らします。あの清らかな音色には、参拝者自身を祓い清め、神様をお呼びする力があると言われています。乱暴に振るのではなく、良い音が鳴るようにリズムよく振ってみてください。

お賽銭の金額については、決まりはありません。「ご縁がありますように」の5円玉が有名ですが、語呂合わせを知っておくと選ぶのが楽しくなるかもしれません。

もちろん、これらはあくまで俗信（言い伝え）です。10円玉や500円玉を入れたからといってバチが当たることはありません。一番大切なのは、金額の大小ではなく、感謝の気持ちを込めることですよ。

神社の参拝方法や鳥居のくぐり方の注意点は？

社結び・イメージ

ここまでは基本的な参拝のフローを見てきましたが、神社の参拝方法や鳥居のくぐり方には、意外と知られていないマナーや、特定の状況でのタブーも存在します。

参拝は、拝殿で手を合わせて終わりではありません。

帰り道において鳥居をくぐり抜けた後、社殿に向き直って行う「振り返りの一礼」までが、神様への感謝を伝える大切なプロセスとなります。遠足は家に帰るまでが遠足、と言いますが、参拝も鳥居を出るまでが参拝なのです。

また、神道において死などは強い穢れと捉えられることがあるため、忌中（きちゅう）の参拝や生理中の対応など、古くからの習わしを正しく理解しておくことが、トラブルや不安の解消につながります。

後半では、意外と見落としがちな帰りの作法や服装の注意点、さらには出雲大社のような「二礼四拍手一礼」といった特殊な事例まで、参拝者が疑問に持ちやすいポイントを深掘りします。

帰りの鳥居のくぐり方と出る時の足は？

参拝を終えて清々しい気持ちで帰路についても、最後まで気を抜いてはいけません。鳥居は結界ですから、出る時も丁寧な振る舞いが求められます。

鳥居をくぐり抜けて俗界（外の世界）に出たら、そのままスタスタと歩き去るのではなく、「くるりと向き直って一礼」をしましょう。これは「無事にお参りさせていただき、ありがとうございました。また来ます」という感謝のしるしです。

この時の「向き直り方（回る方向）」にも、実は美しいとされる作法があります。

原則は来る時と同じで、「神様（正中）にお尻を向けない」ことです。

• 参道の左側を通って出てきた場合：右回りで向き直る（お尻が外側を向く）
• 参道の右側を通って出てきた場合：左回りで向き直る（お尻が外側を向く）

少し上級者向けのマナーですが、これを意識して自然にできると、神様に対する姿勢としてとても美しいですね。足運びも入る時と同様に、正中から遠い足で踏み出すのが理想ですが、出る時はそこまで厳密に気にしすぎるよりも、最後の一礼を忘れないことの方が重要かなと思います。

参拝時の服装や雨の日のマナーは？

社結び・イメージ

「神社に行くときは正装じゃなきゃダメ？」と悩む方も多いですが、一般的な参拝であれば、清潔感のある普段着で問題ありません。ただ、神様は「目上の方」ですので、失礼のない服装を心がけるのがベストです。

キャミソールや短パンなど極端に露出が多い服や、サンダル履きは、観光地化された神社でも避けたほうが無難です。また、意外と知られていないNGアイテムもあります。

そして、参拝予定日が雨だと「ついてないな」と思うかもしれませんが、実は逆なんです。

雨は「禊（みそぎ）の雨」とも呼ばれ、空気が浄化され、悪い気が洗い流される縁起の良いものと捉えられています。「雨降って地固まる」という言葉もありますし、雨の日の神社は人が少なく静寂に包まれていて、晴れの日とは違った神聖な雰囲気を感じられます。濡れた石畳や苔の緑も美しいので、ぜひガッカリせずにお参りしてみてください。

やってはいけないタブーと生理中の参拝は？

神社にはいくつか「やってはいけないこと」があります。代表的なのは、境内での飲食（決められた休憩所や屋台を除く）や、大声で騒ぐこと、携帯電話での通話などです。静寂を尊ぶ場所ですので、心静かに過ごしましょう。

また、石や植物を持ち帰るのも厳禁です。「ご利益がありそうだから」と境内の石を持ち帰ると、逆に神聖なものを損なう行為になってしまいます。

そして、女性の方からよく頂く質問が「生理中の参拝」についてです。

昔は血を「穢れ（けがれ）」の一種と考え、生理中の女性は鳥居をくぐってはいけないと言われていました。しかし、ここで言う「穢れ」とは「汚い」という意味ではなく、「気枯れ（気が枯れている状態）」を指すという説が有力です。

現代の神社本庁などの見解では、本人の体調が良く、精神的に落ち着いているのであれば、生理中に参拝しても問題ないとされています。ただし、生理痛がひどい時や体調が悪い時は、「気が枯れている（エネルギーが低下している）」状態ですので、無理をせず家で休むのが正解です。元気になってからお参りするのも、神様への誠意の一つですよ。

一方で、身内が亡くなってからの「忌中（きちゅう）」（仏教でいう四十九日、神道では五十日祭までの期間）は、死の穢れが最も強い時期とされるため、神社の参拝は控えるのが一般的なルールです。この期間は鳥居をくぐるのも避けるべきとされていますので、喪明けまで待ちましょう（お寺へのお参りは問題ありません）。

出雲大社など拍手の回数が違う例外は？

社結び・イメージ

ここまで「二礼二拍手一礼」が基本とお伝えしてきましたが、すべての神社がそうとは限りません。最も有名な例外が、縁結びの聖地・島根県の「出雲大社（いずもおおやしろ）」です。

出雲大社での正式な作法は「二礼四拍手一礼」です。手を4回叩くんですね。

なぜ4回なのか？これには諸説あります。

• 「四（し）」が「幸せ（しあわせ）」に通じるから（四合わせ）。
• 東西南北を守る四神への敬意を表している。
• 年に一度の大きな祭典では「八拍手（神様への無限の賛美）」を行うため、日常はその半分の四拍手を略儀としている。

出雲大社以外にも、大分県の「宇佐神宮」や、新潟県の「弥彦神社」なども「二礼四拍手一礼」を採用しています。参拝する神社の手水舎や拝殿の近くに、作法が書かれた看板が立っていることが多いので、お参りする前には必ず確認して、「郷に入っては郷に従え」の精神で合わせるようにしましょう。

神社での参拝方法と鳥居のくぐり方についての総括

今回ご紹介した神社の参拝方法や鳥居のくぐり方は、あくまで神様への敬意を表すための美しい所作です。

鳥居の前で立ち止まり一礼をすること、参道の真ん中を避けて歩くこと、手水で心身を清めること、そして拝殿での二礼二拍手一礼。これらはすべて、日常の生活でついてしまった穢れを祓い、清らかな状態で神様と向き合うための大切なプロセスです。

足の運びや手のずらし方など細かい決まりごとはありますが、もし手順を間違えてしまっても不安に思う必要はありません。形式を完璧にこなすことよりも、神様に対して感謝し敬う気持ちを持つことのほうが何倍も重要だからです。神様は作法の間違いを責めるようなことはなさらず、あなたの誠実な想いをしっかりと受け止めてくださいます。

知識としてマナーを知っていると、それだけで心に余裕が生まれます。次はぜひ、この記事で読んだことをひとつでも思い出して、清々しい気持ちで神社を訪れてみてください。心地よい静寂の中で手を合わせれば、きっと明日への活力が湧いてくるはずですよ。

※本記事の情報は一般的な神道の作法に基づきますが、神社や地域によって独自のルールが存在する場合があります。最終的には各神社の案内や神職の方の指示に従ってください。