こんにちは。社結び、運営者の友護です。
和歌山県和歌山市に鎮座する日前神宮(ひのくまじんぐう)と國懸神宮(くにかかすじんぐう)。
検索していて「なんで名前が2つ並んでいるの?」「同じ敷地にあるみたいだけど、違いは何?」と不思議に思いませんでしたか?実は私自身、初めて訪れる前は、一つの神社に別名があるだけだと思っていました。
しかし、この場所は日本でも極めて珍しい、「2つの大社が対等な立場で並び立っている」という特別な聖地なのです。紀伊國一之宮として2600年以上の歴史を持ち、伊勢神宮に次ぐとも言われる格式高い場所ですが、事前に「なぜ2つあるのか」や「お参りのルール」を知っておかないと、現地で戸惑ってしまうかもしれません。
この記事では、そんな2つの神宮の違いという素朴な疑問から、参拝前に知っておきたい御朱印の種類、駅近で便利なアクセスや無料駐車場、さらには参拝後に楽しみたいランチ情報まで、私の実体験を交えてわかりやすくガイドします。
この記事のポイント
- なぜ同じ敷地に2つある?日前神宮と國懸神宮の決定的な違い
- 参拝マナーとして知っておきたい「回る順番」と撮影ルール
- 珍しい「2社合一」の御朱印と、種類豊富なお守り・授与品
- 駅徒歩1分の好立地!無料駐車場の入り方と周辺ランチ情報
日前神宮と國懸神宮の歴史とご神徳は?

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まず最初に、あなたが一番気になっているであろう日前神宮と國懸神宮の関係性について紐解いていきましょう。結論から言うと、この二つは本殿と摂社(おまけの社)という関係ではなく、どちらも主役級の大社(神宮)です。
一つの境内に、独立した二つの神宮が並立している——。これは全国的に見ても非常に珍しい形式で、古くから「日前宮(にちぜんぐう)」という総称で親しまれてきました。
では、具体的に何が違い、なぜこのような形になったのでしょうか?その答えは、神話の時代まで遡るご神体の鏡にあります。前半では、格式高い両神宮の正しい読み方や由緒、そして古くから人々に崇敬されてきた特別なご利益について、その歴史的背景とともに深く掘り下げて解説します。
正しい読み方と神話的な由緒とは?
まずは名前の読み方と、それぞれの神様の違いを整理しておきましょう。
- 日前神宮(ひのくまじんぐう):ご祭神は日前大神(ひのくまのおおかみ)。ご神体は日像鏡(ひがたのかがみ)。
- 國懸神宮(くにかかすじんぐう):ご祭神は國懸大神(くにかかすのおおかみ)。ご神体は日矛鏡(ひぼこのかがみ)。
どちらの神様も、実は私たちになじみ深い「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」の別名、あるいはそのお力を映し出したお姿とされています。決定的な違いは、お祀りしている鏡です。
『日本書紀』などの神話によると、天照大御神が天岩戸に隠れた際、石凝姥命(いしこりどめのみこと)という神様が鏡を作りました。その時、伊勢神宮のご神体である八咫鏡(やたのかがみ)より先に鋳造されたのが、この日像鏡と日矛鏡だと伝えられています。
つまり、ここは伊勢神宮に次ぐ、あるいは同等の格式を持つ準皇祖神として扱われてきた、とてつもなく重要な場所なんです。
2600年前、神武天皇の時代にこの地に鎮座して以来、この2つの神宮は切り離せない一対の存在として、紀伊の国(和歌山)を守り続けてきました。だからこそ、どちらか片方だけをお参りするのではなく、両方にお参りして初めて完結すると考えていただいた方が良いですね。
境内に入ると、参道が途中で二手に分かれます。左に行くと日前神宮、右に行くと國懸神宮です。お参りの順番に厳格な決まりはありませんが、一般的には左の日前神宮から参拝する方が多いようです。
鏡を祀る神宮の特別なご利益とは?

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日前神宮と國懸神宮のご祭神は、どちらも天照大御神の別名とも言われ、太陽神としての性質を持っています。そのため、私たちの生活を明るく照らし、幅広いご利益をもたらしてくださると信じられてきました。
特に有名なのが、良縁結びと家内安全です。
ここでの縁結びは、単に素敵な人と出会いたいという恋愛成就にとどまりません。人と人との縁、仕事との縁、そして家族の絆を固く結ぶ「うけい(誓約)」の精神が根底にあります。
結婚式を挙げるカップルが多いのも、この「固い絆を結ぶ」というご神徳にあやかってのことですね。家庭を「人の世の基(もとい)」とし、その安泰を守る神様として、古くから信仰を集めています。
また、境内には見逃せない末社があります。
市戎神社(いちえびすじんじゃ)をご存知でしょうか?かつて神社の近くで市場が開かれ、大変な賑わいを見せていたことから、市のえべっさんとして親しまれてきた神社です。こちらは商売繁盛の強力なご利益で知られており、経営者や個人事業主の方が多く訪れます。
種類豊富なお守りと授与品は?

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参拝の証として、あるいは日々の守り神としていただきたいのがお守りです。社務所には、交通安全や学業成就、安産祈願など、私たちのライフステージに合わせた多種多様なお守りが並んでいます。
個人的に気になったのは、二つの神宮それぞれの神様のお力をいただいたお守りです。デザインもシンプルながら品格があり、持っているだけで背筋が伸びるような気持ちになります。また、えんむすび守は、やはりこの神宮の「うけい」の力を信じる多くの方に選ばれているようです。
お子様向けには、可愛らしいミニランドセル守や、学業成就を願うえんぴつ御守なども用意されています。入学シーズンにはぴったりですね。また、干支にちなんだ置物や土鈴も授与されており、お正月の初詣の時期にはこれらを求めて多くの人が列を作ります。
厄払いや七五三の祈祷と初穂料
人生の節目には、神様にご祈祷をお願いして、災いを払い、福を招きたいものです。日前神宮・國懸神宮では、厄払いや安産祈願、七五三など、様々なご祈祷を受け付けています。公式サイトや現地の情報を基に、気になる初穂料や受付時間についてまとめてみました。
| 祈祷の種類 | 初穂料の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 厄払い(一般) | 6,000円〜 | 厄年は数え年で判断します |
| 安産祈願 | 6,000円〜 | 腹帯を持参する場合 |
| 安産祈願(腹帯授与) | 8,000円〜 | 神社で腹帯を用意してもらう場合 |
| 初宮詣(お宮参り) | 8,000円〜 | 赤ちゃんの健やかな成長を願って |
| 七五三(1人) | 6,000円 | 兄弟割引の設定あり |
| 七五三(2人) | 10,000円 | 兄弟・姉妹で一緒に受ける場合 |
| 七五三(3人) | 12,000円 | 3人兄弟でお得になります |
特筆すべきは、個人のご祈祷(厄払いや七五三、お宮参りなど)は予約不要で随時受け付けてもらえるという点です。受付時間は9:00〜16:00まで。忙しい日常の中で、思い立ったその日に足を運んでご祈祷を受けられるのは本当にありがたいですね。15:50頃までには受付を済ませるのがマナーですので、時間には余裕を持って行きましょう。
一方で、会社関係の団体祈祷や、工事安全、地鎮祭などの出張祭典は電話予約が必須となります。法人の場合は初穂料20,000円からが目安となりますので、事前に社務所へ詳細を確認することをおすすめします。
メモ
厳かな神前結婚式の費用と特徴は?

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「結婚式は神前で厳かに、家族の絆を感じながら行いたい」
そう考えている方にとって、格式高い日前神宮・國懸神宮は憧れの場所ではないでしょうか。ここでの結婚式は、商業的なチャペル挙式や派手な演出のある披露宴とは一線を画す、伝統と「家」の絆を重視したスタイルが特徴です。
挙式は境内の神楽殿で行われ、参列人数は新郎新婦を含めて最大24名までと定められています。これは、本当に親しい家族や親族だけで誓いを立てる「家族挙式」に特化していると言えます。大勢の友人を招くことはできませんが、その分、神様と家族に見守られた温かく、かつ緊張感のある式になることは間違いありません。
注意ポイント
費用に関しては、挙式料(初穂料)のほかに、写真撮影(集合写真など)の料金設定があります。集合写真は22,000円、スナップ写真は14,300円からとなっています。
派手な結婚式場に比べれば費用を抑えられる可能性が高いですが、衣装や食事会の手配も含めたトータルコストを計算しておくことが大切です。
日前神宮と國懸神宮の参拝ガイド

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日前神宮・國懸神宮へ実際に足を運ぶ際、事前に確認しておきたいのがアクセス方法や現地独自のルールです。
和歌山電鐵貴志川線日前宮駅から徒歩1分という抜群の立地を誇り、車でお越しの方には約100台収容可能な無料駐車場も完備されています。このようにアクセスの便が良い一方で、境内は神聖な祈りの場として守られており、特に写真撮影に関しては「外部プロカメラマンの同行禁止」など、厳格な規定が設けられているため注意が必要です。
また、参拝の証として人気の御朱印は、二つの神社が並立する当宮ならではの仕様で授与されます。
後半では、御朱印の受付時間や詳しい初穂料、混雑を避けるための駐車場の利用ポイントなど、訪問前に知っておくべき実用情報を網羅しました。さらに、参拝後の楽しみである周辺のランチ情報や、実際に訪れた参拝者のリアルな口コミもあわせてご紹介し、充実した一日を過ごすためのガイドをお届けします。
御朱印の受付時間と種類は?
日前神宮・國懸神宮(和歌山市)
両社ともに式内名神大社で紀伊國一之宮。西国三社参りの一つ。
御神域は写真撮影不可となっています。#御朱印 pic.twitter.com/pAWGRi2yCE
— 匕〒''キ@ (@hideki27fc5) November 17, 2023
御朱印集めを楽しみにされている方も多いですよね。
日前神宮・國懸神宮の御朱印は、非常に珍しい特徴があります。それは、二つの神社を合わせて1枚の御朱印になっていることです。通常、別々の神社であれば御朱印も別々にいただくことが多いですが、ここでは右側に國懸大神、左側に日前大神と墨書きされ、中央に紀伊国一ノ宮の印が押されるという、二社合一のスタイルをとっています。
現在は、御朱印帳への直書き(じきがき)ではなく、書き置き(あらかじめ紙に書かれたものをお渡し)が中心となっています。お気に入りの御朱印帳を持参しても、その場では書いてもらえない可能性が高いので、のり等を持参して後で貼る準備をしておくと良いでしょう。初穂料は300円です。
受付時間は、社務所が開いている9:00〜17:00頃までとなりますが、閉門時間や神職の方の都合もありますので、ギリギリではなく16時半頃までには済ませておくのが安心です。
ちなみに、調査した範囲では季節限定やカラフルな限定御朱印などは確認されておらず、伝統的な墨書きと朱印のスタイルを守り続けています。流行に左右されない、その硬派な姿勢もまた魅力の一つですね。
撮影禁止?写真撮影のルール

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最近、SNS映えを狙ったり、七五三やお宮参りで出張カメラマンを依頼しての撮影がブームになっていますが、ここ日前神宮・國懸神宮では、写真撮影に関して非常に厳格なルールが設けられていますので、事前の確認が不可欠です。
結論から言うと、「外部のプロカメラマンや写真館による出張撮影は禁止」です。「ネットで見つけた素敵なカメラマンに、境内で家族写真を撮ってもらおう」と考えている方は、当日は撮影できないことになりますので注意が必要です。
注意ポイント
さらに注意が必要なのは、個人のスマートフォンやカメラによる撮影についても、境内(鳥居の内側・神域)では原則禁止とされている点です。 他の神社のように「スナップ写真程度ならOK」と考えて撮影していると、神職の方から注意を受ける場合があります。
参拝の際はカメラは鞄にしまう等の配慮をし、静謐な神域の空気を心で感じるように過ごしましょう。どうしても撮影をしたい場合は、必ず現地の立て札を確認するか、社務所で許可範囲(鳥居の外など)を確認するようにしてください。
アクセスと無料駐車場の詳細
アクセスに関しては、車でも電車でも非常に便利です。電車を利用する場合は、JR和歌山駅で和歌山電鐵貴志川線に乗り換え、「日前宮駅(ひのくまぐうえき)」で下車します。駅の改札を出ると、目の前に大きな鳥居が見えるほどの近さで、なんと徒歩1分で到着します。
車で訪れる方にとって気になる駐車場ですが、嬉しいことに参拝者用の無料駐車場が完備されています。収容台数は約100台と比較的余裕があり、阪和自動車道「和歌山IC」からも車で約5分という好立地です。
ただし、入口には少し注意が必要です。
神社の正面側ではなく、「東口」から入るルートが案内されています。吉野家やローソンがある交差点を曲がり、神社の森に沿って進むと駐車場の入り口があります。お正月や例大祭(9月26日)などの大きな行事の際は周辺道路も含めて大変混雑し、交通規制がかかることもあります。普段の土日であれば比較的スムーズに停められることが多いですが、混雑が予想される日は公共交通機関の利用を強くおすすめします。
駅周辺のおすすめランチ情報

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しっかりと参拝して心が満たされたら、次はお腹も満たしたいですよね。日前宮駅周辺や、神社の南側を走る幹線道路「宮街道」沿いには、地元で愛される美味しい飲食店がいくつかあります。参拝後のランチにぴったりなお店をリサーチしました。
- 弥一 宮街道店(回転寿司) 駅から徒歩圏内にある、和歌山で大人気の回転寿司チェーンです。「回転寿司とは思えないほどネタが良い」と評判で、地元の新鮮な魚介を楽しめます。ボックス席もあり、家族連れでも入りやすい雰囲気が魅力です。
- 珈琲館 ブラジリアン(喫茶店) 日前宮駅からすぐ近くにある、昔ながらのレトロな喫茶店です。参拝後の休憩や、軽めのランチに最適。落ち着いた空間でコーヒーを飲みながら、参拝の余韻に浸るのも良いでしょう。
- 焼肉 ザ・ゴッドタン(焼肉) 「今日はお肉をがっつり食べたい!」という方はこちら。駅からのアクセスも良好で、ランチタイムにはリーズナブルな定食メニューも提供されています。
この他にも、周辺にはマクドナルドなどのファストフード店や、和食チェーン店もあり、小さなお子様連れでも食事場所に困ることはなさそうです。和歌山の食を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしてください。
参拝者のリアルな口コミレビューは?

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実際に訪れた方々のレビューを見てみると、やはりその雰囲気に圧倒されたという声が多く見られます。
ポジティブな意見としては、「街中にあるのに、一歩鳥居をくぐると別世界のように静か」「深い森の空気が澄んでいて、心が洗われるようだった」といった、境内の神聖な空気感を絶賛する口コミが目立ちます。また、「二つの神社を一度にお参りできるのが貴重」「御朱印がシンプルで力強く、かっこいい」といった声も多く聞かれます。
一方で、注意点として挙げられているのが「写真撮影のルール」と「自然環境」です。
「七五三で自分のカメラマンを連れて行こうとしたら断られた」という経験談や、「夏場は蚊が多いので虫除け対策が必須」といった実用的なアドバイスもありました。豊かな森がある証拠でもありますが、夏から秋にかけて訪れる際は、虫除けスプレーを持参することをおすすめします。
2600年もの間、この地で人々を見守り続けてきた日前神宮と國懸神宮。その「なぜ2つあるのか」という背景を知った上で参拝すれば、静謐な森の中で感じるパワーもまた違ったものになるはずです。ぜひ次の休日は、神話の世界に触れる旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
日前神宮と國懸神宮についての総括
ここまで、日前神宮 國懸神宮の違いや歴史、参拝情報についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、今回のポイントを振り返っておきます。
- 二つの大社が並ぶ、格式高い紀伊國一之宮である
- 「日前」と「國懸」はそれぞれ対の鏡をご神体とする別の神宮
- 御朱印は二社合わせて1枚、現在は書き置き対応が主流
- 外部カメラマンの出張撮影は禁止されているので注意
- アクセスは日前宮駅から徒歩1分、無料駐車場も完備
紀伊國一之宮として2600年以上の歴史を刻む、日前神宮と國懸神宮。
一つの境内に二つの大社が鎮座するという、全国でも珍しい形式は、訪れる人に深い印象を与えます。伊勢神宮に次ぐとされる格式高いこの場所は、神話の時代から続く鏡をご神体とし、良縁や家内安全といった幅広いご利益で信仰を集めてきました。深い森に囲まれた参道を歩けば、街の喧騒を忘れ、心が洗われるような清々しい時間を過ごせるはずです。
電車なら駅から徒歩1分、車なら無料駐車場完備というアクセスの良さも魅力の一つではないでしょうか。参拝の証となる御朱印は二社合一の珍しいデザインですので、ぜひ授与していただきましょう。ただし、神聖な場での撮影には厳格なルールがありますので、マナーを守る心構えも大切です。
参拝後には、地元で愛される周辺のランチスポットでお腹を満たすのも楽しみ方の一つ。神話の世界に触れ、心身ともにリフレッシュする休日を、ぜひこの日前宮で過ごしてみてください。歴史ある神々のパワーが、あなたの明日を明るく照らしてくれることを願っています。
※本記事の内容は執筆時点での一般的な情報に基づいています。最新の祈祷料やルール、祭礼の日程については、必ず公式サイトをご確認ください。また、参拝や移動に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。(出典:日前神宮・國懸神宮公式サイト)