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下鴨神社と上賀茂神社の違いは?距離や移動ルートを徹底解説

下鴨神社と上賀茂神社の違いは?距離や移動ルートを徹底解説

こんにちは。社結び、運営者の友護です。

京都観光の計画を立てているとき、ガイドブックや地図を見ていてふと疑問に思うことはありませんか。「下鴨神社」と「上賀茂神社」、名前も場所も似ているけれど、一体何が違うのだろうと。

同じ「カモ」なのに漢字が違うのはなぜなのか、距離はどれくらい離れているのか、そして限られた時間の中でどっちに行くべきなのか、悩みますよね。実は私自身も、初めて京都を訪れた際は同じように混乱してしまいました。

この記事では、そんな皆様の疑問を解消し、両社の歴史的な繋がりから、移動にかかる時間、そして絶対に外せない周辺のランチ情報まで、私の実体験を交えて分かりやすくご紹介します。

この記事のポイント

  • 下鴨神社と上賀茂神社の漢字表記が異なる歴史的な理由
  • 両社の見どころの違いや、それぞれのご利益の特徴
  • バスを使った移動時間や、効率よく巡るためのモデルコース
  • 参拝後に立ち寄りたい、みたらし団子発祥の店や周辺ランチ

下鴨神社と上賀茂神社の歴史的な違いや見どころは?

下鴨神社と上賀茂神社の歴史的な違いや見どころは?

社結び・イメージ

京都の世界遺産の中でも特に長い歴史を持つ「下鴨神社」と「上賀茂神社」。どちらも「かも」という名前がつきますが、なぜ漢字表記が異なるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実は正式名称では同じ「賀茂」の字が使われており、両社は古代豪族・賀茂氏の氏神として、親子のような深い関係にあります。 前半では、そんな両社の歴史的な背景や、絶対に外せない見どころを徹底比較します。

下鴨神社の「糺の森」や美人祈願で有名な「河合神社」、上賀茂神社の「立砂」や紫式部ゆかりの縁結びスポットなど、それぞれの異なる魅力を詳しく解説します。さらに、みたらし団子発祥の地としてのグルメ情報や、季節限定の可愛らしいお守り・御朱印についても触れていきます。

どちらに参拝すべきか迷っている方や、両方の違いを知ってより深く楽しみたい方に向けて、知っておくべきポイントを凝縮してお届けします。

なぜ漢字が違うのか由来を解説

まず最初に、誰もが抱く疑問である「漢字の違い」についてお話ししましょう。地図アプリやガイドブックで検索すると「下鴨神社」と「上賀茂神社」と出てきますが、実はこれ、どちらも「通称」なんです。

正式名称を見てみると、このようになっています。

通称 正式名称 祭神の関係
上賀茂神社 賀茂別雷神社 子(雷の神)
下鴨神社 賀茂御祖神社 母・祖父(親の神)

ご覧の通り、正式にはどちらも「賀茂」という字を使っているんです。これは両社が古代豪族である「賀茂氏」の氏神様であることを示していて、信仰のルーツは全く同じグループなんですね。京都三大祭りの一つである「葵祭(正式には賀茂祭)」も、この両社が合同で行うお祭りであることから、その結びつきの強さが分かります。

では、なぜ通称の漢字が分かれてしまったのでしょうか。これは地理的な要因が大きいと言われています。下鴨神社がある場所は鴨川の下流(デルタ地帯)に位置しているため、川の名前に使われる「」の字が地名として定着し、神社名にも使われるようになったという説が有力です

。一方で、上賀茂神社がある北部は賀茂氏の本拠地としての意識が強かったため、氏族名の「賀茂」がそのまま残ったと考えられています。

メモ

かつての古い文書では「賀茂」「鴨」「加茂」といった表記が混在しており、昔の人はそこまで厳密に使い分けていなかったようです。音の響きが同じならOK、という感覚だったのかもしれませんね。

ちなみに、両神社は「古都京都の文化財」として、共にユネスコの世界遺産に登録されています。歴史的な価値はもちろん、京都の文化形成において欠かせない存在であることが国際的にも認められているんですね。(出典:文化庁 国指定文化財等データベース『賀茂御祖神社』

どちらに行くべき?特徴を比較

下鴨神社と上賀茂神社どちらに行くべき?特徴を比較

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「京都滞在時間が限られていて、どうしても片方しか行けない!」

そんな悩みを持つ方のために、両社の神社の特徴や空気感の違いを、私の主観も交えつつ徹底的に比較してみましょう。どちらも素晴らしい神社であることに変わりはありませんが、実際に境内に立った時に肌で感じるエネルギーは、驚くほど対照的なんです。

【下鴨神社】太古の森に抱かれる「癒し」と「静寂」の空間

下鴨神社(賀茂御祖神社)の境内に入ってまず圧倒されるのが、世界遺産にも登録されている広大な原生林「糺の森(ただすのもり)」です。ここは、縄文時代から生き続ける木々がうっそうと茂る、京都市内でも稀有な場所。

一歩足を踏み入れると、真夏でもスッと気温が下がるような清涼感があり、まるで別世界へのトンネルをくぐったような感覚に陥ります。参道の両側から巨木が覆いかぶさるように伸びており、母親の腕の中にいるような、優しく包み込まれる安心感があるのが特徴です。

長い参道を砂利を踏みしめて歩くこと自体が「禊(みそぎ)」になると言われており、日常のストレスや心の澱(おり)を、静かな森の力でゆっくりと溶かしていきたい方に最適です。

【上賀茂神社】空へと抜ける「浄化」と「開放」のエネルギー

一方で、上賀茂神社(賀茂別雷神社)の境内は、パッと視界が開けた明るく男性的なエネルギーに満ちています。一の鳥居をくぐると、目の前には広々とした芝生が広がり、空の広さをダイレクトに感じることができます。

象徴的なのが、二の鳥居の前にある一対の砂山「立砂(たてずな)」です。これはご祭神が降臨した神山(こうやま)を模したもので、現代の盛り塩や清めの砂の起源とも言われています。

実はこの立砂、よーく見てみると頂点に松葉が刺さっているのですが、左側(向かって右)には3本、右側(向かって左)には2本と本数が違うんです。これは陰陽道(おんみょうどう)に基づき、奇数(陽)と偶数(陰)を合わせて神様の出現を願うという意味が込められています。

雷(いかづち)の神様をお祀りしているだけあって、迷いを断ち切るような鋭くパワフルな浄化力を感じます。「ここぞ!」という勝負の時や、気分をシャキッと切り替えたい時には、上賀茂神社の突き抜けるような開放感が背中を押してくれるはずです。

一目でわかる!雰囲気と特徴の比較表

それぞれの違いを分かりやすく表にまとめてみました。今の自分の気分に合わせて選んでみてください。

比較項目 下鴨神社(賀茂御祖神社) 上賀茂神社(賀茂別雷神社)
キーワード 癒し、静寂、包容力、森 浄化、開放感、厄除け、空
象徴的な風景 緑深い「糺の森」のトンネル 白砂が美しい「立砂」と芝生
感じるエネルギー 女性的・母性的(包み込む) 男性的・父性的(突き抜ける)
おすすめの天気 小雨や曇りでも幻想的 晴天の青空が映える
こんな人に 心を落ち着かせたい、癒されたい リフレッシュしたい、パワーが欲しい
  • 深い森でリラックスし、内面を見つめ直したいなら → 下鴨神社
  • スカッと晴れやかな気分になり、悪い気を祓いたいなら → 上賀茂神社
友護
友護
もちろん、時間があれば両方お参りして、親子の神様のエネルギーの違いをご自身で体感するのが一番の理想ですよ!

縁結びや美人祈願などのご利益

女子旅やカップルでの参拝なら、歴史の深さと同じくらい「どんな願いが叶うのか」も気になりますよね。実は、下鴨神社と上賀茂神社は、それぞれ「美」と「恋」という、私たちにとって永遠のテーマとも言える強力なご利益スポットを持っているんです。ここでは、ただ手を合わせるだけでなく、体験として楽しめる両社の魅力を深掘りします。

【下鴨神社】鏡絵馬で「なりたい顔」になる!河合神社の美人祈願

下鴨神社の広大な「糺の森」の入り口付近に鎮座するのが、摂社である「河合神社(かわいじんじゃ)」です。こちらのご祭神は、初代天皇・神武天皇の母君である「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」。玉のように美しかったと伝えられることから、女性守護・美麗の神様として絶大な信仰を集めています。

ここで絶対に体験していただきたいのが、SNSでも話題の「鏡絵馬(かがみえま)」です。手鏡の形をしたこの絵馬には、あらかじめ目鼻立ちの線だけが描かれています。これに、普段自分が使っている化粧品(口紅やアイライナーなど)を使ってメイクを施し、裏面に願い事を書いて奉納するんです。

「もっと目が大きくなりますように」「肌がきれいになりますように」……そんな願いを込めて絵馬にお化粧をしている時間は、不思議と自分自身の内面とも向き合う時間になります。もし化粧品を持っていなくても、用意されているクレヨンやペンで可愛く仕上げることができますよ。完成した個性豊かな絵馬がずらりと並ぶ「絵馬掛け」は圧巻で、見ているだけで女子力が上がりそうなパワースポットです。

メモ:飲む美人祈願もお忘れなく

参拝の後にぜひ飲んでいただきたいのが、河合神社の名物「美人水(びじんすい)」です。 下鴨神社の庭で収穫されたカリンと、御神水で作られたドリンクで、ほんのり甘酸っぱくてスッキリした味わい。カリンにはビタミンCやポリフェノールが豊富に含まれているので、体の内側からきれいになれそうです!

【上賀茂神社】紫式部も祈った!片岡社の最強縁結び

一方、上賀茂神社の第一摂社である「片山御子神社(かたやまみこじんじゃ)」、通称「片岡社(かたおかしゃ)」は、京都屈指の縁結びスポットとして知られています。

その歴史は非常に古く、なんとあの『源氏物語』の作者、紫式部もここを訪れて恋の歌を詠んだと伝えられています。彼女が実際に参拝した際に詠んだとされる和歌が、今も境内の歌碑に刻まれています。

「ほととぎす 声まつほどは 片岡の 森のしづくに 立ちやぬれまし」

(意訳:ホトトギスの声を待つ間、私はこの片岡の森の朝露に濡れて立っていましょう。将来の素敵な殿方との出逢いを待ちわびながら…)

1000年以上前の女性も、私たちと同じように「素敵な人と巡り会いたい」と切実に願っていたかと思うと、時を超えて親近感が湧いてきませんか? このエピソードからも分かる通り、片岡社は恋愛成就、良縁、そして家内安全や安産のご利益が強いとされています。

現在の片岡社では、紫式部にちなんだハート形の絵馬や、十二単姿の紫式部が描かれた美しい「切り絵御朱印」などが授与されており、恋に悩む現代人の強い味方となってくれます。「本気で結婚したい!」「良いご縁を引き寄せたい!」という方は、上賀茂神社の本殿だけでなく、必ずこの片岡社にも足を運んでくださいね。

限定のお守りや御朱印の種類は?

下鴨神社と上賀茂神社。限定のお守りや御朱印の種類は?

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参拝の最後のお楽しみといえば、やっぱり授与品選びですよね。お守りや御朱印は、神様とのご縁を結んだ証(あかし)であり、旅の思い出を形として持ち帰れる大切なアイテムです。

下鴨神社と上賀茂神社は、どちらも現代の感覚を取り入れた「持っているだけで気分が上がる」素敵な授与品が充実しています。ここでは、特に人気が高く、手に入れるべき限定アイテムを厳選してご紹介します。

【下鴨神社】世界に一つだけ!運命の柄に出会う「媛守」

下鴨神社で女性の参拝者から圧倒的な支持を集めているのが、「媛守(ひめまもり)」です。このお守りの最大の特徴は、鮮やかな「ちりめん生地」で作られていることなのですが、実は一つとして同じ柄のものが存在しないんです。

授与所の台には、色とりどりの媛守がずらりと並べられています。パステルカラーで可愛らしいもの、シックで大人っぽい和柄のもの、鮮やかな原色のもの……。その中から、「これだ!」と直感で響く自分だけの一つを探し出す時間は、まるで宝探しのよう。願いを叶える心強いパートナーを、自分で選び取る体験自体が特別な思い出になりますよ。

また、男性用には「彦守(ひこまもり)」が用意されています。こちらはデニム生地などが使われたスタイリッシュなデザインで、男性がカバンにつけていても違和感のないカッコよさです。カップルやご夫婦で、ペアで持つのも素敵ですね。

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【上賀茂神社】香りで季節を感じる「あふひ香守」と切り絵御朱印

上賀茂神社の授与品は、季節の移ろいを大切にする京都らしい感性に溢れています。私が特に気に入っているのが、袋状のお守りの中に小さなお香が入っている「あふひ香守(かおりまもり)」です。

「あふひ(葵)」とは、上賀茂神社の神紋であるフタバアオイのこと。このお守りは、季節ごとにデザインや色が限定で登場するのが魅力です。

  • 春・夏:新緑を思わせる爽やかなグリーンや、清流「ならの小川」をイメージした涼やかなデザイン。
  • :紅葉の赤や黄色をあしらった「秋のかおり守」。

カバンやポーチに忍ばせておくと、ふとした瞬間に雅(みやび)なお香の香りが漂い、守られているような安心感を与えてくれます。

さらに、御朱印集めをしている方に絶対おすすめしたいのが、摂社・片岡社の「切り絵御朱印」です。縁結びゆかりの紫式部と十二単(じゅうにひとえ)が繊細な切り絵で表現されており、光にかざすとその美しさが際立ちます。初穂料は1,000円と少し特別ですが、額縁に入れて飾りたくなるほどのアート作品ですよ。

メモ

上賀茂神社にはこの他にも、航空安全を祈願するお守りや、厄除け・雷除けのお守りなど、ご祭神の力強いパワーを宿した授与品が数多く揃っています。 参拝前に公式サイトでどんな種類があるかチェックしておくと、授与所で迷いすぎずに済みますよ。

みたらし団子や周辺ランチ情報

参拝の後のお楽しみといえば、やっぱりグルメですよね。特に下鴨神社を訪れたら絶対に食べていただきたいのが「みたらし団子」です。

実は、みたらし団子の発祥の地は下鴨神社だと言われているのをご存知でしたか? 境内の御手洗池(みたらしいけ)の底から湧き出る水の泡を模して作られたのが始まりだそうです。神社のすぐ近くにある「加茂みたらし茶屋」さんは、その発祥の味を受け継ぐ名店です。

ここのお団子は特徴的で、一番上の団子と残りの4つの団子が少し離れて串に刺さっています。これは人間の五体(頭と四肢)を表していて、厄除けの意味もあるんだとか。焼きたての香ばしいお団子にたっぷりの黒糖タレがかかっていて、絶品です!

注意ポイント

「加茂みたらし茶屋」は人気店のため、特におやつの時間帯は行列ができることがあります。回転は比較的早いですが、時間に余裕を持って訪れるか、持ち帰りを利用して鴨川沿いで食べるのも賢い方法です。

ランチについては、下鴨神社周辺には落ち着いた雰囲気で食事ができるお店が点在しています。「カーサビアンカ」さんはイタリアンの名店で、優雅なランチを楽しめますし、和食なら「ろくそう」さんも評価が高いです。上賀茂神社周辺なら、少し足を延ばして「神馬堂」のやきもち(葵餅)をデザートにするのも良いですね。こちらは午前中に売り切れてしまうこともあるのでご注意を!

下鴨神社から上賀茂神社へのアクセスと観光ルート

下鴨神社から上賀茂神社へのアクセスと観光ルート

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下鴨神社と上賀茂神社はセットで参拝されることが多いですが、実は両社の距離は約3〜4kmほど離れています。

地図上では近く見えても、徒歩で移動すると1時間近くかかってしまうため、効率的な観光にはバスの利用が欠かせません。特に京都市営バスの「4系統」を利用すれば、乗り換えなしで約24分でスムーズに移動することができます。

ここでは、両社を結ぶ具体的なアクセス方法や所要時間、バス乗り場の情報をわかりやすく解説します。また、「歴史の流れに沿って参拝したい」「朝一番の清々しい空気を味わいたい」といった目的に合わせた、失敗しないモデルコースもご提案します。

限られた京都滞在時間を有効に使うための移動テクニックや、周辺のランチスポットを組み込んだ巡り方を紹介しますので、これから参拝計画を立てる方はぜひ参考にしてください。

両社の距離と移動にかかる時間は?

「地図で見ると鴨川沿いに一直線だし、せっかくだから京都の景色を楽しみながら歩いてみようかな?」 初めてこのエリアを訪れる方の多くが、一度はこのように考えます。確かに、鴨川のせせらぎを聞きながらの散策は京都ならではの醍醐味です。

しかし、社結び運営者として、そして何度もこのルートを往復した経験者として、ハッキリとお伝えします。 観光目的での徒歩移動は、正直おすすめしません。

その理由は、単なる「距離」以上の過酷さが隠されているからです。

地図の見た目以上にハード!徒歩移動の現実

下鴨神社から上賀茂神社までの距離は、ルートにもよりますが約3.5km〜4kmほどあります。不動産広告などの「徒歩〇分」の感覚で計算すると「40分〜50分くらいかな?」と思われるかもしれませんが、実際には信号待ちや写真を撮る時間を含めると、優に1時間はかかってしまいます。

さらに、ここには見落としがちな「3つの罠」があります。

罠1:地味な上り坂 下鴨(南)から上賀茂(北)へのルートは、川の上流に向かうため、全行程が緩やかな上り坂になっています。見た目は平坦ですが、歩き続けるとじわじわと足に負担がかかります。
罠2:日陰がない 鴨川沿いの遊歩道は景色が最高ですが、直射日光を遮るものがほとんどありません。特に夏場は照り返しも強く、熱中症のリスクすらあります。
罠3:本番はこれから ここが一番重要です。下鴨神社も上賀茂神社も、境内がとてつもなく広いのです。移動で体力を使い果たしてしまうと、肝心の参拝時にクタクタ…なんてことになりかねません。

「歩いてもいい人」はこんな人

とはいえ、絶対に歩いてはいけないわけではありません。以下のような条件に全て当てはまる方なら、むしろ素晴らしいハイキングコースになるでしょう。

  • 春や秋の気候が良い時期であること
  • 履きなれたスニーカーを履いていること(着物や草履はNG!)
  • 時間に十分な余裕があり、この移動自体をアクティビティとして楽しめること

「限られた時間で効率よく観光したい」「着物を着て可愛く写真を撮りたい」という方は、迷わず公共交通機関(バス)やタクシーを使って、体力を温存してください。その余った体力で、広い境内を隅々まで散策する方が、結果的に満足度の高い旅になりますよ。

どうしても鴨川の雰囲気を味わいたいなら、下鴨神社のすぐ近くにある「鴨川デルタ(出町柳周辺)」で少し遊んでから、バスに乗るのが一番賢い楽しみ方です!

バスを使った便利な移動方法

下鴨神社から上賀茂神社へのバスを使った便利な移動方法

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下鴨神社から上賀茂神社への移動で、私が最もおすすめするのは京都市営バスの「4号系統」を利用する方法です。このバスは、まるでこの二つの神社を結ぶために存在しているかのような、まさに「神ルート」なんです。

ただし、ここで一つだけ絶対に気をつけていただきたい「罠」があります。それは、バス停の場所です。

【重要】バス停は「森の入口」ではなく「西側」にあります!

下鴨神社の参拝は、南側の「糺の森」から入って本殿へ進むのが一般的ですが、帰りにまた森を通って南(出町柳方面)に戻ってはいけません。上賀茂神社行きのバスに乗るためには、本殿の横にある西鳥居(西門)から出るのが正解なんです。

西鳥居をくぐり、駐車場を抜けて大通り(下鴨本通)に出ると、すぐ目の前に「下鴨神社前」というバス停があります。ここから北行き(上賀茂神社・西賀茂車庫方面)のバスに乗ってください。

利用系統 京都市営バス「4号系統」 (上賀茂神社・西賀茂車庫行き)
乗車区間 「下鴨神社前」から乗車 ↓ 「上賀茂神社前」で下車(終点の一つ手前)
所要時間 約20分〜25分 ※桜や紅葉のシーズンは渋滞でもう少しかかる場合があります。
運賃・支払 230円(大人) 交通系ICカード(Suica, ICOCAなど)利用可

バスに乗り込んでしまえば、あとは鴨川沿いののどかな景色を車窓から眺めているだけで到着します。「上賀茂神社前」のバス停は、神社の「一の鳥居」のすぐ目の前。降りた瞬間から神域の空気が漂っていますので、迷子になる心配もありません。

運行頻度は日中でおおよそ1時間に4本程度(15分〜20分間隔)です。待ち時間もそれほど長くありませんが、事前に時刻表をチェックしておくとよりスムーズに動けますよ。(出典:京都市交通局『京都市バス時刻表』

メモ

京都市バスは基本的に「後ろ乗り・前降り」「運賃後払い」です。ICカードを使う場合は、乗るときと降りるときの2回タッチすることを忘れないでくださいね。

徒歩での移動が大変な理由は?

先ほどもお伝えしましたが、徒歩移動をおすすめしない理由は距離だけではありません。京都の道は意外と日影が少ない場所もあり、特に夏場の鴨川沿いは直射日光を遮るものがほとんどありません。

また、下鴨神社(南)から上賀茂神社(北)に向かうルートは、川の上流に向かっていくため、全体的に緩やかな上り坂になっています。見た目には平坦に見えるのですが、ずっと歩いていると地味に足に来るんですよね。

散歩というには少しハードな道のりですので、鴨川散策を楽しみたい場合は、出町柳周辺(下鴨神社付近)のデルタ地帯で少し遊んでから、バスに乗るのがスマートかなと思います。

効率よく巡るモデルコース紹介

下鴨神社と上賀茂神社を効率よく巡るモデルコース紹介

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「せっかく京都に来たのだから、無駄なくスムーズに回りたい!」 そんなあなたのために、私が実際に友人を案内する時にも使っている、鉄板のモデルコースを2パターン作成しました。歴史の流れを重視するか、朝の清々しさを重視するか。ご自身の旅のスタイルに合わせて選んでみてください。

パターンA:王道の歴史順路コース(南→北)

このルートの最大の魅力は、京都三大祭りの一つ「葵祭(あおいまつり)」の行列と同じ順路で進めることです。親神様である下鴨神社(賀茂御祖神社)にご挨拶してから、子神様である上賀茂神社(賀茂別雷神社)へ向かうという、古来の習わしや物語性を大切にしたい方に最適です。

  • 10:00 下鴨神社 到着(京阪・出町柳駅から徒歩) まずは表参道から「糺の森」へ。森の入り口にある「河合神社」で鏡絵馬を奉納し、美人祈願をしてから本殿へ向かいます。長い参道を歩くことで心が整います。
  • 11:30 早めのランチ&休憩 混雑する前に、神社西側の「加茂みたらし茶屋」へ。焼きたてのみたらし団子を堪能します。しっかり食事をしたい場合は、近隣の「グリル生研会館(洋食)」や「下鴨デリ」などもおすすめです。
  • 13:00 バス移動(約25分) 西側の「下鴨神社前」バス停から、市バス4号系統(上賀茂神社行き)に乗車。座ってのんびり移動できるのがバスの利点です。
  • 13:30 上賀茂神社 到着 一の鳥居をくぐると広がる開放的な芝生! 二の鳥居前の「立砂」で写真を撮り、本殿へ参拝。その後、摂社「片岡社」で縁結びを祈願し、「ならの小川」沿いを散策してマイナスイオンを浴びます。
  • 15:00 終了・移動 上賀茂神社前のバス停から、京都駅や四条河原町方面へ戻ります。

パターンB:朝活・浄化コース(北→南)

こちらは「混雑回避」と「浄化」をテーマにしたルートです。上賀茂神社の朝の空気は本当に格別で、人が少ないうちにあの広大な空間を独り占めできるのは最高の贅沢です。その後、南下して下鴨神社周辺でランチを楽しむ流れになります。

  • 09:00 上賀茂神社 到着 朝一番の光に照らされた「立砂」は神々しさが違います。凛とした空気の中で本殿を参拝し、清流「ならの小川」のせせらぎを聞きながら境内をゆっくり一周します。心が洗われるような体験です。
  • 10:00 バス移動(約25分) 「上賀茂神社前」バス停から市バス4号系統に乗り、南下します。「下鴨神社前」で下車。
  • 10:30 下鴨神社 到着 まだ観光客のピークを迎える前の「糺の森」を散策。木漏れ日が最も美しい時間帯です。本殿にお参りした後、お守り授与所などもゆっくり見て回れます。
  • 12:00 ランチタイム 下鴨神社の南側、出町柳エリアにはお店が充実しています。行列店「出町ふたば」で豆餅をお土産に買ったり、鴨川デルタを眺めながらパンを食べるのも京都らしくて素敵ですよ。

どちらのコースも、移動の要となるのは市バス4号系統です。これさえ乗りこなせれば、両神社の移動は驚くほどスムーズになりますよ!

下鴨神社と上賀茂神社の観光まとめ

いかがでしたでしょうか。名前は似ているけれど、それぞれ全く異なる魅力を持つ下鴨神社と上賀茂神社。正式名称が同じ「賀茂」であることや、家族のような神様の繋がりを知ってから参拝すると、より一層感慨深いものになるはずです。

移動にはぜひバス(4号系統)を活用して、無理なく両方の神社を巡ってみてくださいね。美しい糺の森の緑、立砂の白、そして美味しいみたらし団子が、皆様の京都旅を彩ってくれることを願っています。どちらも素晴らしい神社ですので、ぜひ両方のご利益を頂いて帰ってくださいね。よいお参りになりますように!

注意ポイント

※記事内の情報は執筆時点のものです。拝観時間やバスの時刻表、店舗の営業状況などは変更になる可能性がありますので、お出かけ前に必ず各公式サイト等で最新情報をご確認ください。

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